素材のこと

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種類や生える部位、処理の仕方で、毛の性質は様々に分かれます。ここに、白鳳堂の化粧筆に使われている、代表的な毛の特徴をまとめました。

毛の値段(≒筆の値段)は必ずしも品質の高低を表しません。
それぞれのよさを活かす使い方が大切ですので、メイクの目的やお好みにあわせて、毛の種類をお選びになることをおすすめします。

  • 山羊

    肌あたりがよく、コシがあって耐久性もあります。発色、粉含みともによく、フィニッシング、パウダー、チーク、ハイライト、アイシャドウまで、幅広い用途に使われます。雄雌の別、生える部位によって、毛の特質が変わります。

  • 灰リス

    毛先が非常に繊細でやわらかく、肌あたりのよさは群を抜いています。粉は山羊に比べふんわりとつきやすくフィニッシング、パウダー、チーク、ハイライト、アイシャドウまで、幅広い用途に使われます。パウダー系はハイライトに向き、アイシャドウではコントロール性に優れます。
    山羊とブレンドすれば、お互いの毛の特徴が馴染み、肌あたり、発色ともによい筆が作れます。

  • カザンリス

    灰リスに近く、さらにやわらかい毛質です。毛丈の短いアイシャドウから丸型のハイライトはコントロール性に優れます。毛丈の長い丸平のものはふんわりと粉がのります。ただし稀少で高価な毛質です。

  • 樹リス

    毛質がイタチに似ており、粗めでコシが強いので主にアイシャドウに使います。リキッド系の化粧品にも対応します。

  • 松リス

    やわらかく毛先が繊細です。チークからアイシャドウまで作れますがややまとまりに欠けるので、穂が短い筆に向いています。アイシャドウのぼかし仕上げに最適です。しっかり整毛した毛ならチークやハイライトにも使用できます。

  • カナダリス

    毛先が繊細でまとまりがよく、また比較的コシもあります。灰リスに比べて毛が短いため、用途はハイライトからアイシャドウ用まで。非常に稀少で高価ですが、まとまりがよくコントロール性が高いので、プロをはじめ、お化粧好きの方まで広く支持される人気の素材です。

  • イタチ(ウィーゼル)

    毛先はコシが強く、耐久性もあります。発色、粉含みともに優れており、またパウダーとリキッドの両方に使えるので、リップやアイライナー、コンシーラー、アイシャドウなど、幅広く利用されています。

  • コリンスキー

    イタチより繊細で毛先が細くて長いので、さらに肌あたりがやさしくまとまりのよい毛質です。先端に力がありコントロール性が高いのでネイルスカルプチャーにも最適。質の良いものは非常に高価です。

  • 玉毛(猫)

    猫の毛です。毛先が玉状になっていることから、この通称がつきました。毛先のしなやかさでは一番で、コントロール性が高く、耐久性にも優れています。発色は抜群でリキッドに使えますが、粉含みには劣り、丈が短く、また高価なので、アイシャドウ中心に利用されています。

  • 馬毛

    資源が豊富なので比較的安価で、メイク筆の市場ではポピュラーな素材です。毛質にばらつきがあり、山羊と同様に、よいものと悪いものの差があります。他の毛とブレンドすることで、コシの強さや耐久性のよさなど、利点を引き出すことができ、肌あたりの強さを緩和できます。また上手に使い込んでいくと、よく馴染んでくれます。発色がよいのでチークからアイシャドウに。眉ブラシには、たてがみや尾の毛を使います。

  • 水ムジナ

    毛元が粗くて太く、コシが特に強い一方、 毛先は非常に細くなっています。アイブロウブラシには最適とされています。

  • 合成繊維(ポリエステル)

    パウダーに使うと発色よく、薄くつきますが、粉の含みはよくないです。リキッドやクリームに適しています。コンシーラーやリップ、練りチークに。獣毛とブレンドし、穂の形状や性質を安定させることができます。

  • コシがあり先も鋭い毛質です。毛先は滑らかでスムーズに回転させることができ、陶器の染付などに使われることが多い毛です。また粘りの強い絵具にも筆が負けないため重宝されています。ただしアクリル絵具など樹脂系の絵具との相性があまり良くありません。
    まとまりすぎることなく、線に程よい荒さがでるので創作用などにも好まれます。
    特に日本狸の毛は上質でハネ・トメ・ハライなどの美しい線を表現してくれます。

  • 鹿

    鋭く荒く弾性には乏しい。おもに小筆の短い部分に使われる。毛先はシッカリしており、もろくはないが、胴体部分から根元部分は中空で節があり、もろく折れやすい。しかし墨持ちはよいので、筆を太くするための「あん」として使われることが多い毛質です。